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深海生物に会いに行こう!”深海魚の聖地”だからできる!出会える!戸田深海魚まつり(沼津市戸田)

2024.12.23

レジャー

日本一の富士山を眺めながら、休日を大きく楽しむ!
静岡県東部を中心とした新(深)情報サイト「ふじスマ+(プラス)」のライター、スマコです。

日本一深い(最水深部約2,500m)駿河湾で行われている、沼津市戸田(へだ)の文化ともいえる深海魚漁。新種の深海生物が発見されることも珍しくありません。
※戸田の深海魚漁は、水深200m-500mのトロール漁(底引き網漁)-漁期は資源保護のため、毎年9月~5月のみ

へだ温泉深海魚プロジェクト「戸田深海魚まつり」

不思議がいっぱいの未知なる深海生物を、五感を使って観察できる場所は沼津市戸田。見て!触って!一度に多くの深海生物に出会える人気イベント「戸田深海魚まつり」に出掛けてきました。

主催するのは、戸田観光協会を主体とした、地元飲食宿泊事業者などで構成する「へだ温泉深海魚プロジェクト」です。訪れた2024年12月8日(日)は、なんと第17回目の開催でした。(現在、年に2回開催しています)

深海生物を求め、約600名が参加

2014年(平成26年)の「へだ温泉深海魚プロジェクト」発足以来、”深海魚の聖地”として魅力的で持続可能な観光資源として「戸田深海魚まつり」を開催しています。

会場の「戸田漁港」は朝から大賑わい!
事前に予約を受け付け、この日、約600名が参加しました。
今回は神奈川や東京など関東圏からの参加が多く、最も遠方からの参加はなんと札幌!
札幌から足を運ぶきっかけになる深海生物!参加者の居住地を伺い、驚くと共にその人気の高さを実感しました。

へだ温泉深海魚プロジェクトメンバーからのメッセージ

戸田深海魚まつり開会セレモニーとして「へだ温泉深海魚プロジェクト」メンバー数人から来場者へ挨拶がありました。

漁業のまち戸田では、現在6隻底引き船底引き網漁を行っています。
その内の1隻、「日の出丸」の漁師、大村真史さんからの挨拶をご紹介します。

強風で漁に出られない日が続きましたが、今日のためにできる限り深海生物を集めました。
中には名前が分からないような魚も混じっています。知っている人がいたら教えてください。

漁に出ている大村さんでも知らない深海生物が獲れるんですね!
もしかしたら、戸田深海魚まつりで新種発見!なんてことが今後あるかもしれません。

日常市場に並ばない深海魚ですが、稀に見た目もかわいい品種があがる時もあります。見学後、即売会も実施しますので標本や研究にも役立てば幸いです。

まだ参加したことはないけれど、戸田深海魚まつりが気になっている方へ向けて、戸田観光協会の佐藤寿美さんからメッセージをいただきました。

臨時駐車場も開設してくれるので、自家用車で訪れても問題ありません。
せっかくの機会なのでと、前入りして戸田に宿泊された参加者もいらっしゃいました。

深海魚展示会

会場には、底引き網漁で獲れた深海生物がずらり。
種類や展示数がわからないくらい、多様な深海生物が並んでいました。

展示会はタッチOKなので、その手触りや重さを体感するもよし。口の中など、図鑑では見られない箇所をじっくり観察するもよし。”深海魚の聖地”を訪れたからこそ体験できる展示です。

スマコも「キホウボウ」を手のひらに乗せて観察しました。
硬いトゲトゲした鱗をまとった体に、ぎょろりとした大きな目がかわいい~!
身体の表面の硬さ、鱗の密度の高さなど、実際に触ったからこそわかることがありますね。

大人も子どもも夢中!深海生物にタッチ

気になる深海生物がいたら、手を伸ばして次々と観察できちゃう!
ユメカサゴヌタウナギカガミダイミノエビなど、調べなくても名前がすらすら出てくる深海生物ファンが大勢参加され、子どもだけでなく大人も目を輝かせていました。

「これがメンダコか~!」と、夢中の女性の手には本物のメンダコ(笑)
貴重な深海生物の感触や匂いも確かめられる、こんな機会はなかなかありません!

子どもたちに大人気!深海生物タッチプール

ストローみたいな口のサギフエ、細長い手足のヤマトトックリウミグモなど、生きている深海生物と触れ合えるタッチプールも。

深海ザメのタッチプールでは、豪快に触れ合いを楽しむ子どもたちの姿が!

最初はおっかなびっくりな様子でも、水の中に手を伸ばしたり、ジッと観察したりと、子どもたちはそれぞれのスタイルで触れ合いを楽しんでいました。

即売会スタート!

戸田深海魚まつりの後半は、観察した深海生物を競り落とす「即売会」を開催。
お気に入りの深海生物を持って帰ろうと、会場は大盛り上がりでした。

10年続けられてきた「戸田深海魚まつり」ですが、開始当初と比べると認知度も上がり、年々参加者が増え続けている人気イベントになっています。

深海魚を捕る方法として底引き網漁が行われますが、食用とされるのは1部の種類のみ。それ以外の未利用魚のほとんどが海に戻されます。

それをそのまま陸揚げし、展示販売を行っています。学術的に希少か否か問わず、新しい発見を含め、高付加価値化を目的に継続したいと考えます。
(戸田観光協会 佐藤寿美さん)

お目当ての深海生物ゲットなるか?!

即売会まで楽しみたいという参加者の方は、発泡スチロールやクーラーボックスを持参していました。戸田漁業協同組合直売所「へだのすけ市場で発泡スチロールを販売しているので、現地調達も可能です。

即売会では、とりあえず手に入れられる深海生物を買う人、お目当ての深海生物に狙いを定めて競り落とす人も。最後にはすべて競り落とされ、机の上がまっさらに。すごい!

競り落とされた深海生物のその後が気になったスマコ…何組かに声をかけてみました。

■東京から初参加のお父さんと息子さん

戸田を訪れたのは2回目ですが、戸田深海魚まつりには初めて参加しました。ホウボウを目当てで即売会にも参加しました」と、ご自身で制作したレザークラフトのメンダコキーホルダーを見せてくれながらお話してくれたお父さん。親子で共通の好きなものがあるっていいですね!

「購入された深海生物ってどうするんですか?」の問いに、多くの方が「どうしましょうかねぇ(笑)」のお返事が多かったです。帰宅後、改めてゆっくり観察したり、はく製を作りますなんて声も聞かれました。

こんなに大量にどうするの?

ひと際、気合を入れて即売会に参加している団体が。
声をかけたところ、静岡市清水区にキャンパスがある「東海大学 海洋学部」の学生でした。
参加していたのは「海洋研究会」のメンバー、サークル活動の一環として即売会をいつも楽しみにしているとのこと。

大容量サイズのクーラーボックスいっぱいの深海生物を一体どうするのでしょうか。

手に入れた深海生物は標本に

「海洋研究会」は、透明標本をはじめとした様々な標本作りに取り組むサークル。
後日、SNSを見たところ、「戸田深海魚まつり」で手に入れた深海生物で、早々に標本作りに着手していました。

骨格研究に用いられる「透明標本」は、生物のたんぱく質を分解・透明化し、特殊な染色液で硬骨を赤紫色、軟骨を青色に染色します。下処理からはじまり技術が必要な標本作りですが、試行錯誤を繰り返しながら技術向上と生態研究に励んでいる「海洋研究会」。

珍しい生き物が打ち上げられていないか、冬場は早朝に三保の海岸を散策するのだとか。
海の生物への愛が深い!戸田深海魚まつりを通じて、わくわくする出会いがありました。

イベントにも積極的に参加しているので、彼らが製作した標本を手にすることができるかも!?
日々の活動やイベント出展情報を専用SNSで発信しています。

Instagram:@tokai_kaiyoken

X:@tokai_kaiyoken

イベント参加者には、うれしいプレゼントあり

「戸田深海魚まつり」参加者には事前予約者限定特典として、地元の食事処で使用できる割引券のプレゼントがありました。使用期限が半年以上ありましたが、お腹が空いたので、当日ありがたく使用し、さっそく戸田でランチ!

イベントを楽しんだ直後なので深海魚を食べたいところですが、刺身定食を注文(笑)もう間違いないおいしさでした。山盛りご飯があっという間にお腹の中へ。せっかく戸田に来たのだから、タカアシガニを食べたい!という方には、この割引券は心強い味方ですね!

戸田に訪れる人を楽しませてくれる仕掛けが盛り込まれた、戸田を満喫できるイベントの次回開催は2025年4月を予定しています。事前予約制のため、聖地で深海生物を存分に楽しみたい方は、チャンスを逃さないように戸田観光協会のSNSをチェックしてくださいね。



スポット情報 – 戸田温泉深海魚プロジェクト(戸田観光協会内)

所在地:静岡県沼津市戸田289-12
TEL:0558-94-3115
営業時間:9:00-17:00
戸田観光協会ホームページ
X(旧twitter):@Hedakanko
Instagram:@hedakanko
facebookページ:戸田観光協会




2024年12月に取材しました

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ふじスマ+のライターをしています!伊豆の魅力が多くの人に届くように記事を書いています。