春の訪れを告げる新鮮な生ワカメ!静浦朝ねぼう市&静浦漁協直売所(沼津市)
2025.3.4
グルメ
日本一の富士山を眺めながら、休日を大きく楽しむ!
静岡県東部を中心とした新(深)情報サイト「ふじスマ+(プラス)」のライター、スマコです。
ここだから買える!味わえる!ふじスマプラス連携エリア内で味わえる旬の味を、お得にゲットできるイベントと直売所をご紹介します。

うれしいゆっくりスタート!静浦朝ねぼう市
沼津市の静浦漁協で毎年2月に開催される「静浦朝ねぼう市」。
静浦漁業協同組合青壮年部が主催するこちらのイベントの目玉は、春の訪れを告げる「生ワカメ」と青壮年部が加工する「タチウオのみりん干し」の販売です。
せっかくの休日、いつもよりゆっくり寝たいと思いませんか。一般的な朝市やマルシェと比べ、「静浦朝ねぼう市」は11時開始。ゆっくりスタートなのも魅力です。

静浦漁業協同組合 伊藤大輔さん
「戸田」、「内浦」、「静浦」、「沼津我入道」の4つの漁協がある沼津市。
「静浦朝ねぼう市」と「直売所」について、静浦漁業協同組合職員の伊藤大輔さんにお話を伺いました。
昔からシラス漁が盛んで、「釜揚げシラス」、「しらすスモーク」など直売所で販売しています。静浦漁協周辺では、天然のヒジキの生育が良く、年間を通じて1トンほど収穫されています。また、令和元年(2019年)9月に「静浦ワカメ生産組合」を発足し、ワカメの養殖に力を入れています。
イワシ、アジ、サバ、タチウオなどの魚種が獲れ、タチウオの一本釣り漁が行われています。
ワカメの養殖を始めたことをきっかけに、認知度向上のために販売する機会を設けました。
この他に、例年12月末に「静浦漁協年末大売出し」を実施してきましたが、今年3月からイベント会場である「静浦漁協荷捌所」の工事が始まるため、2025年度以降の実施については検討中です。

生ワカメの購入には整理券が必要です
「生ワカメの販売」は12時からですが、数量限定販売のため、11時から整理券を配布します。
新鮮な生ワカメを求め、市内外から大勢のお客さんが列を作りました。
皆さん、おいしいものをよくご存知ですね!スマコも列に並びながら、前後のお客さんとオススメの食べ方を情報交換。一期一会のちょっとした交流もイベントの醍醐味ですね。

イベントでしか出会えない商品も!
静浦漁協のブースでは加工品や鮮魚も販売。そのラインナップを見ると、特色がよくわかります。
新商品の「太刀の骨せんべい」は、醤油味と塩味の2種類。好評なら、今後も販売を継続予定とのことなので、今回食べ逃した方もまたチャンスがあるかもしれません。
タチウオが通年獲れるので、静浦漁協では「タチウオのしょうゆ干し」に力を入れていきたいです。直売所で普段販売している干物は静浦漁協が加工したものですが、朝ねぼう市で販売する「タチウオのみりん干し」は組合員さんが加工したものです。甘めの味付けが、この辺りの漁師さんが作るみりん干しの特徴です。(伊藤さん)
イベント限定販売と聞いたら、ぜひ一度食べてみたいですよね!

新鮮なタチウオを販売
来場されたお客さんに喜んでもらいたいと、今回、新鮮なタチウオの販売がありました。
しかし、鮮魚のタチウオの販売は、漁に出られるかどうかの運次第!
今回、購入できた方はラッキーです!
透き通った目、キラキラ光って鮮度抜群!しかも、イベント価格での販売ともあって、飛ぶように売れていました。

海産物だけじゃない!地域のお店も出店
「静浦朝ねぼう市」には、地元のお店も出店し、自慢の商品や特産品を販売します。
以前、ふじスマプラスで取材した「木負観光みかん園」さんも出店され、「青島みかん」や「寿太郎みかん」など季節のみかんを販売されていました。
今後、出店数を増やしていけたらとのこと。海の恵みだけでなく、農産物など地域の魅力を伝えるイベントのこれからが楽しみです。

イベント大盛況でワカメを追加!
生ワカメは1袋600g入りで500円(税込)の静浦朝ねぼう市価格で販売。
旬の味が、こんなにお買い得価格でいいのでしょうか。
販売予定数の整理券があっという間になくなるほど、イベントは大盛況!
急遽、組合員さんが船を出し、ワカメを追加で販売しました。
さっきまで海中にいた新鮮なワカメが手に入る!なんて贅沢なんでしょう!
さて、近年、静浦がワカメの生産地になった経緯が気になりませんか?
静浦のワカメ養殖について、これまでの取組みをお聞きしました。

ワカメ養殖の取組み
冬は海が荒れることが多く、漁に出られる日が少なくなれば漁師さんの収入は減ってしまいます。
そこで、安定した収入源の確保としてワカメ養殖の事業化に踏み出しました。
試験養殖を経て、平成30年(2018年)に養殖を行うための区画漁業権を取得。
静浦の新たな特産品を目指し、「静浦ワカメ生産組合」は工夫を凝らしながら養殖を続けています。
現在は、ワカメの種苗を購入していますが、種苗作りにチャレンジしたことも。※上写真(写真提供:静浦漁業協同組合)収穫後の選別作業を含め、ワカメ養殖は手作業で行われます。
①メカブを少し乾燥させる(3月頃)
②海水に戻し、胞子(遊胞子)を放出させる≫胞子で水が茶色く濁ります
③水槽に糸をセットし、胞子(遊胞子)が放出した海水を漉しながら入れて浸し、種糸を作る
④ある程度の大きさに生育するまで、陸上で管理
⑤12月、流されないようロープの網目に種糸を差し込んで付ける「種付け」作業
⑥種付けしたロープにおもりを付けて海中へ沈める
⑦約2ヶ月後から春先にかけて収穫
12月には、地元の子どもたちが授業の一環として種付け体験をします。
地域の産業を知るとともに、地元静浦のワカメのファンになってほしいと、毎年行っています。
まさに地域の特色を生かしたキャリア教育、体験を通じて水産業に興味をもつ子もいるかもしれませんね。

海中でワカメを見られるのは、冬から春のみ
ワカメの成長には水温が重要です。種付けしたロープを、水温の下がる12月初旬~中旬頃に海へ出し、約2ヶ月間育成。海中で急速に生長し、春先の収穫時には大きいものは、なんと1m以上に!
生ワカメはあまり日持ちがしないため、産地周辺で消費されます。
収穫シーズンには、静浦漁協周辺の飲食店の他、ホテルや旅館などで味わうことができます。
「養殖ワカメに関して、毎年安定して育ってきているので、扱ってくれるお店などありましたらぜひ組合へ声をかけてください」(伊藤さん)

ワカメの生産地だからこそ味わえる!春の味
生ワカメを手に入れたスマコは、サッと茹でてぽん酢とおろし生姜、そして酢味噌でいただきました。褐色の色素を持つワカメは、湯通しすると鮮やかな緑色に。
驚くのはその柔らかさ!春の訪れを感じられる旬の味は、短い期間しか味わえません。
ワカメの養殖のほとんどが手作業ということを知った後にいただいたので、漁師さんに感謝しながらおいしくいただきました。生ワカメを食べられるのは限られた地域だけなので、私たち消費者がワカメの養殖について知ること、購入しておいしくいただくことが特産品としてのブランド力向上に繋がり、産地を後押しします。
「新鮮なワカメを食べる機会は、あまりないと思います。獲れたてのワカメが手に入るのは養殖地だからこそ。コロナ禍にはミニ直売会というかたちで、静浦朝ねぼう市を10年近く続けてきました。イベントをこれからも続けていきたいです。今後は、鮮魚も扱えたらと考えています。地場の水産物を買って味わって応援してください」(伊藤さん)

静浦の海の恵みが手に入る!静浦漁協 直売所
イベント以外でも、静浦の海の恵みが手に入るのが「静浦漁協直売所」。
イベントで販売していた「ちりめんしらす」や「しらすスモーク」の他、天日干しにこだわって作った干物、釜揚げシラス(冷凍)などを販売しています。底引網漁解禁時には、静浦漁協で水揚げされた「本えび(ヒゲナガエビ)」の販売も(数量限定)。流水解凍後、お刺身で食べられる鮮度の良さです。
生ワカメは直売所でも販売していますが(期間限定販売)、予約ですぐに売り切れてしまう人気商品です。また、入荷は漁次第のため、購入を希望される場合は、事前に静浦漁協に電話で問い合わせてください。(1袋500g入り 税込500円)
隣の事務所から職員さんが来て対応してくれるので、直売所を利用される方は、カウンターの呼び鈴を押してください。(お客さんは直売所内に入れません。カウンターから購入希望の商品を伝えてください)
自宅用はもちろんのこと、お土産や手土産にしても喜ばれること間違いなし!
なお、電話かFAXで注文可能です。全国へ発送しているので、遠方の方もぜひ静浦の海の幸を召し上がってくださいね!
イベント情報 – 静浦朝ねぼう市
会場:静浦漁協荷捌所
時間:11:00~ ※無くなり次第終了
(生ワカメ販売は12:00~/11:00から整理券配布。販売個数の制限する場合あり)
スポット情報 -静浦漁協 直売所
所在地:静岡県沼津市獅子浜243-1
TEL:055-931-3010
FAX:055-932-0043
営業時間:9:00-16:00
定休日:土日祝
駐車場:直売所前に駐車してください(直売所を利用される方のみ)
2025年2月に取材しました
※記事内の価格について変動する可能性があります